人口減少社会のトレンド

1、 歴史に学ぶ

(1)1300年代のヨーロッパ

 ペストが猛威をふるい、3人に1人が死亡した時代。

もっとも被害の大きかったイタリアは人口が半減した。

しかし、その厳しい状況にもかかわらず経済活動は大きく

復興している。ベネチアやフィレンツエなど生産性の高い

都市部へと移動した人々はガラス細工や絹工業を発展させた。

教会への寄進も増え、建築熱が高まり絢爛たるルネッサンスの

花を咲かせた。

(2)1700年代の江戸中期

 大飢餓により日本の人口が2/3に減少した。

これにより二毛作が始められ、灌漑工事により水利改善・農業

技術改善が行われ、増収をもたらした。

江戸町民文化の花を咲かせ、化政文化と言われ「通」「粋」などというのが流行した。歌舞伎・浮世絵・浄瑠璃などが最盛期を迎えた。

過去の歴史からは人口減少時代は文化の花が開く、華やかな時代になる。

上記の現象が我々の日本に起こってくると想像できる

2、 現在起きている現象

(1)一人内二極化

セレブ的高額消費と低価格のカジュアル消費という二つの

トレンドがそれぞれ勢いを増し、時には一人が両方の消費嗜好をもつこと。「100万円のウィスキーと第三のビール」

(2)高級品市場 楽天にもこんなものが売られている。「1億3650万円の時計」

「ロマネコンティ 1575万円」「伊豆下田の清流壮 2泊100万円」

(3)JTBからもこんな商品が売り出されています。

「本格宇宙旅行 24億円」「豪華客船 飛鳥の旅 1000万円」

(4)その他こんなものが売れている。

「東武百貨店池袋本店 1万円のチーズケーキ」

「銀座の資生堂パーラー 1万円のカレーライス」

「横濱カレーミュージアム 1万円の究極萬カレー」

「東京の帝国ホテル 1万円のサンドイッチ」

「コーセーのクルームミリオリティ 45g 9万円」

(5)プリウス ハリウッドのアカデミー賞受賞式のこと。もっとも注目を

集めたのがリムジンで乗りつける有名スターを尻目に「プリウス」からさりげなく降り立ったレオナルド・ディカプリオだった。

(6)レクサスワールド 自動車産業の枠にとどまらない高級ブランドに仕立てる。

(7)リーバイス 50年代の501XXが100万円。これの復刻モデルが3万円。

これにより、岡山県井原市では世界中のジーンズ原布を提供。

(8)青春18きっぷ JRの普通列車と快速に1日乗り放題の切符。

(9)オーダーメイドパソコン デルがネット経由のオーダーメイド注文。

(10)「VAIO」が機能・色などを決めてもらい生産する受注生産。

(11)ハムのオーダーメイド 伊藤ハムはロースハム・ボンレスはむ・ベーコンの3種類から

スモーク・塩分・脂肪の好みを指定できる。

3、 纏めると

(1)1万円のサンドウィッチと聞くと「高い!」と驚きますが、でもほとんどの人は「1万円なら支出できる。特別の日なら1回くらい、そんなサンドウィッチを

食べてもいいかなあ」と考える。

(2)現在の富裕層は限られたお金だからこそ、自分がもっとも豊かな満足を感じられるものを求める層なのです。」

(3)少量生産付加価値販売の経営ノウハウを持った会社が生き残る。そこにあるのは、付加価値の高いものを数を絞り込んでつくり、高くても付加価値のわかる一部の人に買ってもらうという発想です。

(4)市場そのものは縮小しても、歴史をブランド化し付加価値やオンリーワン価値をつければ、客単価がアップし結果的には売上は拡大できる。

(5)モノを売るのではなく、コトを売る。コトとは文化・ストーリー・スピリッツ・ライフスタイルなどを売りにするビジネス。

(6)時間の進行はぐんとゆるやかになり、好きなことに時間をたっぷり費やすことができる「時間もち」「時間貴族」に憧れる人が増える。

(7)客層カテゴリーはライフスタイル別に設定する。

(8)「ロハス」の発想。「LOHAS」とはlifestyles of health and Sustainability のことで、「健康で、持続可能なライフスタイル」、つまり健康や

地球環境保護意識の高いライフスタイルのこと。

(9)ビジネスとは「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の「三方よし」が基本。

(10)本物志向の質的マーケティングに転換する。対象とする顧客をあえて「狭く」絞込み、その代わりに深堀することにより確実な高収益性を実現していく。

サウンドスクエア 株式会社

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