ワインの選び方
1、要旨
最近、ワインをたしなむ人が増えてきた。しかし、どんなワインを食事時に選んで良いのかほとんどの人がわからないで苦労している。スマートに適当なワインをオーダーできれば良いのにと思っている人は多い。その要望に応えるために、「男と女のワイン術」伊藤博之・柴田さなえ著(日本経済新聞出版社)に書かれている内容を以下に纏めてみた。
2、安価なワインほど当たりハズレがある。
スーパーやコンビニで購入する場合は1000円~3000円のものに、あたりハズレがある。3000円を超えると極端なハズレがなくなり、5000円を超えるとハズレが殆ど無い。7500円や1万円でも品質的には5000円と差は殆ど無い。
安価にワインを選ぶ場合は、白ワインは製造年月日に若い(最近)のものが良く、赤ワインはフランスボルドー産(Bordeaux)のものが良い。辛口の白ワインは1000円台では買えないし、渋味がしっかりした赤ワインも1000円台では買えない。ワイン選びの第1歩は「自分の好みの味わいを言葉にすること」である。
3、白ワインはマコン、赤ワインはボルドーのメルローをベースにすべし。
ワインの味わいを表現するのに「果実味」「辛口」「酸味」「渋味」がある。
ニューワールド(アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド・チリ・アルゼンチン・南アフリカ)のワインは口に含んだ瞬間に味わいがバーンと拡がる。それと比較してヨーロッパのワインは最初味わいがよくわからないかもしれないが、ゴクリと飲み込んでから口中に味わいが残る時間が長く続く。ニューワールドのワインは「果実味」が強いワイン。果実味の少ないヨーロッパのワインは「辛口」タイプ。どちらも「おいしさ」に変わりはない。味わいの軌跡が違うだけなので、そこに「自分の好み」がある。
高いワインの理由はぶどう栽培にある。フランス産の高級ワインだと畑1haあたり30kLとなり、それがテーブルワインだと畑1haあたり100kLとなる。もうひとつ葡萄の樹の年齢を40年~50年に保っている。
「辛口」の代表はシャブリ(フランス・ブルゴーニュの最北端にあるシャブリ)地区で造られる白ワイン。「酸味」はリンゴ酸(引き締まって感じる)と酒石酸(まろやかに感じる)がある。リンゴ酸の量が産地により変化している。酸の強さとまろやかさが拮抗するフランス・ブルゴーニュ地方南部のワイン「マコン」を白ワインのベースに考えた。冷やしておいしい有機酸はリンゴ酸・クエン酸・酢酸で白ワインに多く含まれる。高めの温度(20℃)でおいしくなるのは乳酸でフランスの高級ワインに多く含まれる。酒石酸は中間の温度帯が良い。
「渋味」のもとであるタンニンはぶどうの皮や種から出る成分。白ぶどうにはタンニンが非常に少ない。そのため、白ワインは渋味を感じない。ワインにした時に重厚な渋味を出せるには「皮が厚く、よく陽射しを浴びた粒の小さなぶどう」ということになる。
渋味が貴重な理由は抗酸化物質のため、渋味を蓄えたワインは長期保存に耐えられる。長期保存することで、強すぎた渋味の角がとれてまろやかになる。また、その間にワインの熟成が進み、新たな香りが生まれる。ボルドーの五大シャトーのワインは、若いうちは渋味が強すぎて飲みにくい。そのため、何十年にわたって熟成させ、しかるべき時を迎えて抜栓すると爆発的な香りをたたえ、角がとれて滑らかな渋味を擁した感動的なワインに変化する。赤ワインを造るぶどうの品種は、最もしっかりした渋味を蓄えているカベルネ・ソービィニヨン、最も少ないのがピノ・ノワール、メルローは中間。
4、ワインのラベル
ヨーロッパのワインは:ぶどうが採れた土地の名前。土地の名前はワインのランクを知るヒントになる。土地が狭く限定されていくほど、ワインのランクが上がっていく。畑名に「Cru」の文字が書かれているのは高級ワイン。
ニューワールドのワインは:主に使われている原料ぶどうの品種。「リザーブ」「エステート」「シングル・ビンヤード」と書かれたものが上級ワイン。
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