健康の原点は食と腸にある

1、要旨

 お医者さんである田中佳が書かれた著書「健康の原点は食と腸にある」(きれい・ねっと)の内容が私の腑におちたので、以下にその抜粋を記します。

2、食べ物&腸の菌

 (1)病気から健康への方向転換

 病気は気づきのチャンスと捉え、病気を引き起こしたであろう生活を見直し、心を改め、病気に向いていた矢印を健康へと方向転換することがまず大切です。症状という存在はとても辛くて嫌なものです。同時にとても有難い存在でもあります。身体にとって「とても有難い存在」が、とても「有り難くない」現れ方をするのが症状です。身体は貴方に不調という現象を起こして無理をさせないようにしているのです。車でいうと、警告灯の点灯です。警告灯が一つ点灯するだけで、ビックリして修理工場に点検してもらおうとしますが、人の症状という警告灯は往々にして無視されます。気付いた時にはかなり破壊が進行しているでしょう。ですから、早く気づいて生活改善に取り組んで下さい。

 健康を維持する為に必要な生活の基本要素は「食・腸・心・筋(運動)」に集約されると考えています。

 (2)当たり前の食を見直す

 健康になるための食と、死ななければよしとする食とでは雲泥の差があります。質を疎かにすると、不足する栄養素が目白押しとなります。コアラはユーカリだけ食べる道を選びましたが、人間は雑食で生きる道を選びましたので、必要とする栄養素を兼ね備えた食材の幅はとても広くなっています。それは世の行きものの中で、食べる楽しみを与えられたことでもあります。

 (3)食べ方の問題

 一日三食きちんと摂ることが健康に良いとされていますが、果たしてそうでしょうか。「生きもの」としての観点から食事方法を考えますと、「腹ペコになるまで食べる必要がない」でよろしいのではないでしょうか。一日三食きちんと時間を決めて食べる生きものは、この地球上で人類だけでしょうから、空腹でもないのに規則正しく食べることが不自然だと気付かなければなりません。これを実践してわかったことは、多くは一日二食になってしまうことです。身体からの「食べてよし」の声が発せられてから食べましょう。腹ペコになってから食事をするようになりますと、どうしても一日での食べる量が減りますので、単位当たりの栄養素が高い食材を選びたい。美味しい食事を一気食いするのは惜しいので、一口一口を噛みしめながら、味わいながら、香りを感じながら、食事をじっくりとしましょう。この腹ペコまで待つ方法を実践して分かることは「こんなに食べなくても大丈夫なのか」ということです。体調を崩すことなくジワジワと体重が減りますが、しばらくすると「こんなに食べなくても痩せないのか」という状況に直面します。

 (4)腸内細菌を育む繊維質

 人類は繊維質を分解する酵素を持ち合わせておりませんので、分解吸収は不可能です。分解できないまま通過していきますので、腸内のお掃除係というイメージは定着しています。ふやけて水分も多く含んでくれるので、大便の量も柔らかく多めになるので便秘解消にもなります。腸内に住んでいる細菌達の食べ物となり、腸内環境を整えてくれるだけではなく、計り知れない恩恵を我々にもたらしてくれるのです。

 ≪腸内細菌の凄すぎる恩恵≫

・人が分解できない栄養素を更に分解してくれる。

・吸収効率の悪いミネラルの吸収を助けてくれる。

・有害物質を分解・無害化してくれる。

・心を安定化させるセロトニンという神経伝達物質の前駆体を作ってくれる。

・免疫力の安定化に繋がり、アレルギー状態が緩和される。

・腸の蠕動運動が活発となり、整腸作用が得られる。

 (5)身体づくり

 身体は新しい細胞を作り、古い細胞を廃棄する新陳代謝から、エネルギー代謝、解毒や分解、免疫反応、ホルモン等の伝達物質の合成など、ありとあらゆる営みの力、すなわち自然治癒力となります。それらの代謝の元が基礎代謝で、車のエンジンでいうアイドリングに相当します。基礎代謝が上がると全ての代謝が上がります。

 体温が低い人が手っ取り早く体温を上げる方法は二つです。一つは体の中から熱を発生させる運動ですが、筋肉の量が多いほど熱量はたかまりますので筋肉トレーニングはした方が良い。もう一つは、外から熱を加える温泉などです。代謝が上がるだけでなく、血管が開いて血液の通りが良くなり、酸素や栄養素が十分に行きわたり、二酸化炭素や老廃物を捨てやすくなります。

 (6)心の在り方

 心の在り方の理想は「悟り」ですが、病んでいるときに病気以外の事を考えるのは難しいことです。そんな時に手っ取り早く似たような状況にするには「癒し」です。「大自然に抱かれて癒されて治る力を存分に発揮する」ということです。

 胎内記憶の研究で有名な池川明先生は、「われわれがこの世に来た意味は、まずお母さんを幸せにするためにきたのだと。その後はこの世の役に立つためなのだと」。どうせいつか死ぬのであれば、元気溌剌で動ける内に、少しでも多くのこの世のアトラクションを味わいたいと思いませんか。

 日常的に大切な事ですが、幸せも不幸も全て自分が決めていることに気づくことです。この些細な喜びや幸せの積み重ねが、感謝の暮らし、無駄な過去など一切ないと認識を改め、全ての過去の断片が一つ欠けても今の自分は存在しない奇跡の連続、今ここに存在できる奇跡に感謝しましょう。

 (7)医療とどう関わるか

 身体の不具合が起これば不調という症状を提示してくれます。この身体の声をしっかりと聴いて、それに従って行動すると案外間違えてはいない事に気づくでしょう。

 死を意識する病名を告げられた方の共通した反応として、頭が真っ白になりパニックに陥っております。その時、現代医療と代替医療を併用される方が少なくない。正しい選択をする為にも、ふたつの関係性を理解しておく必要があります。単純化するとこんな感じです。

 現代医療=自己治癒力を損ね、取り敢えず凌ぐ

 代替医療=自己治癒力を高め、悠長だが根本的に治す

例えば、腕の骨が折れました。現代医学で骨折部分を合わせた上で、祈りを行い、ビワ茶を飲み、霊気をあて、アロマテラピーで癒され、タラソで拝読し、温泉場で湯治するでもいいわけです。癌に限っても、世の中には様々な方法で健康に戻られた方がおられます。寺にこもったり、断食だったり、世界周遊に旅だったり、キノコだったり、有用微生物系だったり、あまりの種類の多さに驚きます。要するに、何を使っても自然治癒力を上げるスイッチを押せるということです。どんな医療も納得することが大切ですから、選んだあとは勉強しましょう。医者の技量と同じく、施術師の技量も千差万別ですので、ご自身で感じることが大切です。病気になった結果を素直に受け止め、病気に至る生活をしていた自分を省みて、生活の改善をしてからでないと代替医療の効果は充分に得られません。人任せ、物頼みの人は大病から戻ってきませんでした。根本から治すことができるのは自分自身の治癒力だけだということを忘れてはいけません。

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