死ぬこと以外かすり傷
面白い本を読んだ。「死ぬこと以外かすり傷」箕輪厚介著(株式会社マガジンハウス)という本だ。新しい考え方や以前から言われていることを最近の若者の言葉で表現している。とても参考になったので、以下にその抜粋を記す。
1、編集者は最強
この著者は幻冬舎で編集者をやり、出版不況の中でも年間100万部を売り上げている。もっとも元気な一人だ。その著者は編集者が最強だと感じる理由に、第1に「才能カクテルが飲み放題」だから。変人や天才達と毎日のように会って、時にぶつかりながら本を作り、戦友のようになる。一冊の本を通して一番成長するのは編集者だ。あらゆるジャンルで活躍している人達の才能をカクテルして飲めるのだから、こんな贅沢な仕事はない。
第2に「ストーリーを作れる」ということ。編集者の仕事を一言で言うと「ストーリーを作る」ということだ。いまの時代、商品の機能や価格は大体似たり寄ったりだ。これからは、その商品にどんなストーリーを乗っけるかが重要になる。第3には「人の感情に対する臭覚を磨ける」ということ。人が日々何を感じているか、ということの臭覚はストーリーを作る力と同様、これからあらゆるサービス・プロダクトを作る上で重要になってくる。
2、「箕輪編集室」
2017年6月に「箕輪編集室」というオンラインサロンを開設した。わずか1年で1300名のメンバーが集まった。オンラインサロンとは主にインタネット上でやり取りするコミュニティだ。同じ志を持った仲間たちが集い、語り合い行動する。オンラインサロンはお金の流れが会社とは逆だ。メンバーはオーナーである著者にお金を払っている。これからはオンラインサロン的な働き方が主流になっていく。「楽しい」とか「面白い」とかいうやりがいのために動いている。お金や物質を得ることよりも、高次な欲望を満たすために働いている。
3、会社員のメリット
副業とは会社でずば抜けた結果を出して、名前が立ってそれによって個人として仕事を受け、大金を稼ぐことにならなければ意味がない。会社というフィールドを使って、外で稼ぐための個人ブランドを打ち立てないといけない。都合の良い事に会社員はノーリスクでギャンブルができる。会社の金と人とインフラを使い、プロジェクトにフルスイングできる。たとえ失敗しても自分の財産は一円も奪われない。サラリーマンもエキサイティングで最強な仕事だ。
4、トラブルに身を投げろ!
失敗やトラブルに前のめりで突っ込みたい。冷や汗と摩擦、恐怖や絶望をエンタメに昇華したい。脳にアドレナリンが噴き出し、誰かに伝えたくてたまらない。予定調和にロジカルに考えても計算通りのものしか生まれない。カオスにこそ、まだ見ぬ景色があるのだ。
5、自分に何万円の値札を貼るか
自分で餌を探すことを覚え、狩りの仕方を習得する。どんな小さなことでもいい。自分の手で、頭で、足で、名前を稼いでみろ。自分の値札を意識しなければ、一生飼われた豚のままだ。飢えたオオカミになれ。
6、ブランドを稼げ、未来を稼げ
僕が幻冬舎というフィールドで「金」ではなく箕輪厚介という「ブランド」を稼いでいるのだ。1時間50万円のコンサルでは「金」を稼いでいる。地方講演はノーギャラだが「未来」を稼いでいる。地方に仲間を作ることは僕がこの先やることで重要な役割を果たすからだ。これからは、複数の仕事をこなすことが当たり前になる。しかし、「金」という軸だけで考えてしまっては多様で厚みのある経験は積めない。自分が金以外の何を稼ぐかポートフォリオを組んで思考せよ。
7、努力は夢中に勝てない
大事な打合せがあっても、天気が良くてプールに行きたいと思えばプールに行く。僕は意識的に自分の心がワクワクするかを行動基準にしている。なぜなら「努力は夢中に勝てない」から。目の前ことにどれだけ夢中になれるか。熱狂できるか。夢中の前ではどんな戦略もノウハウも無力だ。今まではお金を稼ぐのが上手な人が豊かであったが、これからは夢中になれるものを見つけている人が豊かになる。儲からなくても夢中な何かがある人は幸福で、お金はあっても何をしたらいいかわからない人は苦しくなる。
人生とはそもそも、自分が夢中になるものを探す旅なのだから、人生を賭けるほど夢中になれるものをみつけることは簡単ではない。大切なのは常識に縛られない事。個体としての欲望と偏愛を解放しろ。ごちゃごちゃいう前にとにかく動け。リスクと思っていることは全部仮想的なものだ。人生など長いドラマであり、ロールプレイングゲームに過ぎない。失敗もトラブルも全部話をおもしろくするためのイベントだ。今ほど挑戦する人が楽しい時代はない。死ぬこと以外かすり傷と叫びながら、ただ狂え。
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