情断大敵
「会社は90%が経営者で決まる」と言われている。経営者のマネジメットが最も重要なのは言うまでもない。今回、1987年にミサワホームの当時社長だった三沢千代治氏がかいた「情断大敵」という経営者の向けの本を紹介したい。32年も前に書かれているにも関わらず、今もそのまま引用できる本である。
「企業を伸ばし、人を伸ばすのは情報である」、情報は現代社会を生きるための血液と言えるだろう。いかにして、質の良い情報を、量的にも潤沢に収集することができるか、いかに収集した情報を活用するか。情報こそ、現代社会のさまざまな問題を解く、キーワードだと確信している。
これからの経営を考える場合、従来のそれとの最大の変化は、もはや経営者だけでは会社経営はやっていけない、ということである。社員ひとりひとりが明日を見つめ、現在を自覚していかなければならない。
1、 情断こそ恐ろしい
(1)1970年代までは、経済を循環している「血液」はお金だった。しかし、これからは情報が血液がわりとなって経済を動かしていく時代だ。経営者たるもの、情報収集に全力を傾けるべきだ。情報収集には人に会うことにつきる。
2、 当たり前からの脱却
(1) 社長というのは10年たったら交代するのが望ましい。社会そのものが猛スピードで動いている世の中だから、10年もすると変化をフォローできなくなる。
(2) 「売買」という漢字は“買う”という字の上に十と一を加える。つまり、昔から
“売る”時には“買った値段”に1割乗せていいということ。
(3) 会社の評価は「トイレ」「社員の表情」「余分なものが置いてないか」「ゴミ箱がきれいか」を見ればわかる。ダメ会社はきたない。
(4) 偉人の生い立ちを調べたら、天井の高い広々とした空間で育った人間の方が将来大物になる。
3、 勝ち残りの経営戦略
(1) 経営者の6段階
第1段階 社長個人がお金もうけをしようとする段階。
第2段階 会社として利益を生み、蓄えようとする時代。
第3段階 売上高や社員も含めて、会社全体を大きくしたいと願う時期。
第4段階 人や組織づくりに一生懸命になる時期。
第5段階 業界や世にため、人のためにつくそうとする時期。
第6段階 死んだ時に悪口を言われないようにつとめる時期。
(2) 社長はクヅ箱役
経営というのは、常に右へいくべきか、左へいくべきか、と判断に迫られているところがあるが、だいたいにおいて、悪いほう、悪いほうを選択してしまうことが多い。ところが、不思議なことで、他人からは適当な距離があるせいか「それは悪い方向ですよ」とすぐに判断がつくものだ。
高学歴社会の今日では、若い人達が頑張れるような空気をつくっていった方がうまく行く。全員経営参加が理想である。
社員の不満の受け口、お客様からのクレームのお詫びが社長の役割。社内のクズ箱と同じ役割。会社はクズ箱がないと片付かない。クズ箱があれば、社内がすっきり片付いて、部屋がきれいになり、仕事の能率もUPする。
(3) 若い人にやる気を出させる方法のひとつに、仕事に点数をつける。点数は小さい時から良い成績をとることを要求されてきた若者の弱点になっている。
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