働き方改革への実施に向けて
働き方改革への実施に向けて
先日、東京ビッグサイトにおいて各社の働き方改革における講演を視聴してきた。
その中で大手パナソニックと中小企業の天彦産業の講演内容を聞いて、筆者自身、対局軸にある話で大変参考になったので、ここに感想と共に要旨を紹介する。
1. パナソニック
企業風土から変える「働き方改革」というタイトルで、パナソニックは従来より大きな組織のため企業風土を根本から変えることは難しかった。
だが、この度IT企業に在籍経験を持つ発表者であるCEOが旗振りを行い、カルチャー&マインド(働き方改革のキーワード)をベースにして会社の文化をまず見直し、事業価値向上のため、社員の仕事環境を整え、社員たちの考え方を変化させることに基軸を置いた。
従来の発想を変えること。つまり、パナソニックは100年を迎えた伝統的企業であり組織力や改善力、匠の力などを重視していたが、先進的企業に必要な「個の力」ををミックスした「第3の道」を選ぶことで、今回の働き方に全社を挙げて取り組んだ。この方針は、大企業としての進むべき道としては正しいと思う。
無料のランチ提供やフロアーに卓球台を置き 想像力を働かせるための柔軟な発想が出やすいような文化形成を狙っている。
また、「高速擦り合わせ」という説明では、部門間の壁を取り除き部長級の役職者らが責任者会議を立ち話などでおこない、スピーディーに決定している。
従来の大企業の発想から転換し、スリム化・高速化した課題解決を狙っている。
社員には、「1on1 Meeting」という、上司発の個別面談から部下主体の「対話」方式に変更して、定期開催し、上司は傾聴力が求められ、部下は成長につながるミーティングになっている。
2. 天彦産業(特殊鋼など、素材販売や加工品販売をしている会社)
TVなどにも紹介された社長自身が講演者であり、面白く聞かせてもらった。
経営理念は、社員第一主義(社員を大切に)であり、したがって「社員第一主義の働き方改革」としてビデオを交え、語っていた。
・家族のための休暇や本人のリフレッシュ休暇も含め社員の休みを多くしたが、何と、その分、社員同士の結束力やコミュニケーション能力が高まり、自分が休む前には、支障がないように段取よく次の人に引継ぎできるようにしており、生産性が大きく向上して、会社の受注、売上げに社員の力が大きく貢献している。
中小企業であるが、近江商人のDNA:三方良し(売手よし・買手よし・世間よし)
をそのまま実行している社長の手腕も大きい。
そして、社員との距離を縮めることに心を割いている。たとえば、給与は振り込みだが
ボーナスは手渡しして袋の中には社長のメッセージを載せている。業務だけでは社員
の長所が見つからないので“てんひこの委員会活動”(外部活動)により人事考課を50%
の割合にしているとのこと。このような人事考課を筆者自身聞いたことがない。
また表彰制度があり、月間ベスト社員・年間賞・感謝状など毎年貢献した社員がもらえ
る。 これは、実行できそうだが中小企業では少ないと思う。
また、社員は、この会社が好きで、日曜日の夜には、月曜日が来ることを楽しみにして
いる。 ・・・・素晴らしいの一言
最後に、筆者の会社も含め零細企業では自転車操業している中小の会社が多いと思わ
れるが、人財を大切にする経営が会社存続の柱であることを再考してもらえたら幸い
である。
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