設備保全の考え方

1、要旨

 設備保全にできるだけ費用をかけたくないという経営者は多い。保全費用を少なくすると1年~2年は特に問題なく設備が動いてしまうが、3年目あたりから少しずつ故障が発生してくる。この発生した故障を現場でなんとか苦労しながら、応急対応をしてしのいでいる状態が続く。そんな設備不十分な状態で操業していると、突然設備が停止しすぐには稼働できないことが生じてくる。同時に労働災害の発生も起こってくる。

 企業が生き残っていく上でも適正な設備保全が必要であることを強く認識してほしいと思います。

2、設備保全の目的

(1)設備が故障することにより生産性の低下を防止する。

(2)設備が劣化することにより、製品品質を落とさない。

(3)設備が本来持っている高性能な能力を維持する。

(4)設備を長持ちさせる。

(5)保全費用をトータルで安価にする。

(6)保全しやすい設備にしていく。

(7)誤操作が少なく、かつ安全な設備にしていく。

(8)周囲の環境に配慮した設備にしていく。

3、設備管理方法

  機械のオペレータと保全担当者が一体となって行うのが、設備保全管理です。

オペレータは以下の事を確実に行うことにより設備を使用しなければならない。

(1) 設備の清掃・給油・増し締めをきちんと実施する。

(2) 異常を発見した時はすぐに保全担当者への具体的な連絡をする。

(3) 故障防止・安全対策の提案をする。

 保全担当者は以下のことを実施しなければならない。

(1) 現状確認(生産能力のネックになっている設備等を把握)

(2) 重要設備の点検実施。

(3) 突発故障の緊急対応実施。

(4) 計画工事の工程立案・工事実施・試運転確認。

(5) オーバーホール時期・仕様書作成・メーカー(業者)選定・発注金額決定。

(6) 故障記録の作成・保管・活用。

(7) 図面・取扱説明書・仕様書の保管管理。

(8) 予備品の管理。

上記の実施状況をオペレータと保全担当者が緊密に連絡・共有しあって、血のかよった設備保全管理にしていくことが大切です。

4、保全予算

 設備保全をある程度満足できるレベルに維持する必要があり、そのための適正費用をかけることを薦めます。

 適正な保全費用を知るにはJIPM等に問い合わせると概算的な把握ができます。私が長年勤務していた醸造業界は「売上総額の3.5%程度」だった。これは保全に関わる人・物・金のすべての合計です。

5、保全担当者の人事

 保全技術をマスターするのに多くの時間がかかります。できるだけ人事異動を少ない方法がお薦めです。保全技術の伝承も大変難しいもののひとつだと思います。保全作業は「予期しないことの連続」であると言われています。


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