ANAの「口ぐせ」
1、 要旨
ANAグループには3万人の社員がいます。ANAは「チームで成果を出す働き方」を続けて来ました。そして今の時流として「みんなの知恵を集めて成果を出すチーム戦でないと生き残れない時代」が来ています。ANAビジネスソリューション著「ANAの口ぐせ」に書かれている内容を以下に纏めました。
2、 ANAの口ぐせ
(1)気付いた事は気付いた瞬間に口にする いいことも悪いことも、気付いたことは相手に伝えることで、チームの質を高めていくことができる。相手が自分の行動を覚えているうちに、その場ですぐに伝えることが大切。
(2)「どうしてそうしたの」「あなたはどう思う?」 一方的に指摘するのではなく、指示や命令、注意をした後は必ず相手に「なぜそんなことをしてしまったのか」理由をしっかり聞く。
(3)完成させるな、さらに良くするにはと考えろ。 設備は完成したら劣化していくだけと考えるべきでない。手を加えていくことで、寿命を延ばすだけでなく、品質をさらに高めることができる。
(4)雑談は積み重なるとノウハウになる。 一見ムダに見える社員同士の「おしゃべり」「雑談」が積み重なると経験知やノウハウになる。一人の人が自分の仕事の中で経験できることには限界があるので、他人の経験を共有できるのは貴重なこと。
(5)照れくさいことは、カードに書いて褒める。「ありがとう」「よくやった」 「グッドジョブカード」は社員同士が褒め合うことを促すツール。紙に称賛の内容を書いて本人に渡す。気付いたらすぐ、渡す時はなるべく大勢の社員がいる前で。カードが使われないのは、他人への関心がうすれた証拠。管理者が率先して使用する。褒めることは、単なる「善意」ではなく、訓練された「技術」として定着させることが重要。
(6)エラーは「防ぐ」のではなく、「コントロール」するもの。 30年間の全損事故分析によると、機器に不具合があったものが2割、人間のエラーによるものが8割。「人間のエラーはゼロにできない」という前提に立って対策する。「視差呼称」など。
(7)失敗した人は犯人じゃない。 事故につながりうるエラーを防止するため、失敗したその社員にしかわからない状況や心の内を話してもらうことが必要。
(8)チェックがダブルでもトリプルでもなくセルフ。 その作業に最も熟知しているのはその作業をした人である。作業者本人が責任を持ってチェックすることにより「人任せ」によるエラー要因をなくす。
(9)「人は楽をしたい」を前提にマニュアルをつくれ。 マニュアルの作業ツールづくりでは、その作業を行う人物が含まれていることが大切。作業者の魂が込められたものをつくる。
(10)「片付けよう」ではダメ。片付けるしくみが必要(使用者に元の位置に返却する意識を持たせる) 道具を共用化すると紛失しやすいが、工夫によって紛失は防ぐことが可能。片付けるしくみをつくってルール化する。共有工具は工具の形にくりぬいたところに納める。使用者の名前が書かれたフラッグを立てかけておく。
(11)個人の能力×チームワーク×モチベーション=組織力 。どんな問題もチームで解決する。チームで仕事をすると、一人だけでは得られない成果を得ることができる。
(12)仲良しチームはいいチームではない 。「権威勾配」という考えを共有する。「権威勾配」とは自分と相手の関係において、仕事上の権威差がどれだけあるかを表す。権威勾配は急すぎてもフラットすぎてもいけない。年齢や役職にかかわらずチームでの役割を遂行する。
(13)「その他大勢」のメンバーはいない。 チームのメンバーをなんらかのリーダーに任命する。その他大勢のメンバーにも役割を持たせると、チームに活気が出て、活動が引き締まる。
(14)5分前の精神を忘れるな 。集合は集合時間の5分前、作業準備完了は作業開始の5分前。この精神を実行することで、集団全体の遅れの影響を防げるし、自分の作業に臨む態勢をとることができる。
(15)おはようございます。その後に必ずひと言 「あかるく、いつでも、さきに、つづけて」が挨拶の基本。挨拶の後にもうひと言加えることにより、相手との距離を縮めることができます。
(16)自分以外はみなお客様。 お客様とはお金を払ってくれる方々だけではありません。
社内の他のスタッフもお客様という考え。
(17)判断基準は、お客様がどう感じるか。 お客様の前では「おしゃれ」ではなく「身だしなみ」です。
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