クラウドファンディング

１、要旨

　一般大衆が小額から投資をできるシステムとして最近成長してきたシステムに「クラウドファンディング」がある。クラウドファンディング（crowd　funding）の意味はインターネット上で不特定多数の人々から小口の出資を募り、お金を必要とする個人や企業に提供する仕組みのこと。アベノミクスの第3の矢である成長戦略の具体策の一つとして位置づけられたことから注目が集まり、2014年5月には金融商品取引法まで改正されている。

２、クラウドファンディングの種類

（１）「寄付型」は個人やNPOなど主に社会貢献活動や慈善活動を行っている人々がインターネットを通じて個人から寄付を集めるための仕組み。資金提供者に見返りがまったく無い。

（２）「購入型」は新しい商品やサービスを創りたくても資金の無い企業や個人が、インターネットを通じて個人から開発費を調達するための仕組み。資金提供者に負担した金額に応じて実際の商品・サービスが提供される。

（３）「融資型」はインターネットを使って個人投資家から資金を集め、その資金を原資にクラウドファンディング事業者が個人や法人に融資を行い、融資先からの返済元利金の一部を投資家に分配する仕組み。この事業を行うためには第二種金融商品取引業登録と貸金業登録の二つが必要になる。

（４）「事業投資型」はクラウドファンディング運営業者が第二種金融商品取引業登録を行い、集団投資スキームである匿名組合の媒介を行う仕組み。プロジェクトの成果に基づいて、投資した割合に応じて金銭的リターンが投資家に支払われる。特定商品ではなく事業全体に投資する。

（５）「株式型」は個人がインターネットを通じて、非上場企業に出資して、対価として株式（非上場株）を受け取る仕組み。2015年4月に解禁された。1社当たり上限1億円、一人当たり最大50万円までの未上場の株式を購入できる。