「本物」になる仕事のクセづけ
1、 要旨
「なんのために働くのか」を以前に考えたことがありました。その理由のひとつは「お金」のためでしょう。人は働き「お金」を得なければ食べていくことができません。しかし、働く理由が「お金」だけになると、人は生きていく方向を見失います。
人間は人間性の向上を求めて、この世に生まれてきました。そして、生まれたからには、どんな人でもそれぞれに使命・役割があります。この使命を見つけるために働くと思っています。使命に沿って活躍すると、自分も満たされ、幸せになり、まわりの人をも幸せにすることができます。自分の使命は働けば働くほど早く見つかります。働くことによってしか、使命を見つける方法はないと思います。以下に「「本物」になる仕事のクセづけ」船井幸雄著の内容を抜粋して記します。
2、 仕事のクセづけ
(1)儲けグセ 企業はいくらかでも利益を出さなければ存在できません。そのためには働く人に「儲けグセ」がなければ利益を出せません。「儲けグセ」をつけるには、現状を見つめ、今の仕事に感謝し、歯を食いしばって努力しなければなりません。楽な道はないのです。
(2)節約グセ 会社の備品などは使わねば損とばかりに乱暴な使い方をする人がいますが、このような意識の人に仕事は任せられません。節約をするということはケチを徹底しろという意味ではありません。しかし、自然の理に沿って考えると、質素・単純・ムダのないことをするのが人間の正しい道だからです。裏紙を使用したり、電気をこまめに消したりを心がけましょう。
(3)働きグセ 「働くこと」は自分の傍の人を楽にするために人が動くこと。若い人は自分から率先してまわりの人を楽にしてあげようと思うくらいの気持ちが大切で、前を向いて命がけで働くことで「働きグセ」がつきます。
(4)プロ意識グセ プロとは体調が悪くとも、どんな状態でも普通のアマチュア以上の成績や成果を出せる人のことを言います。いまの仕事を続けてもいいのか、自分にはもっと向いている仕事があるのではないかと思い悩んでいる人もいます。しかし、仕事の選択に悩むよりも自分の意識を変えることが優先です。最初から天職に出会えた人というのは、むしろ珍しい人です。3年間は夢中でやってみることです。プロ意識がつくと、それが基準となって自分の考えが変化してきます。迷っていた仕事が楽しくなります。そうすると回りの人も楽しくなります。
(5)同時処理グセ 現代は非常に忙しい時代です。この時代をよりよく生き、適応し、多くの知識を吸収するには何時間あっても足りないくらいです。今の時代に必要な能力は同時に物事を処理する能力と言えます。聖徳太子のように普通の人でも訓練しだいで同時にいくつかを処理することができると思います。
(6)ムダ・ムラ・ムリのない即時処理グセ いまやるべき仕事を後回しにする人がいます。何かをやろうと頭の中で考えた瞬間にその場でそれをやれば少ないエネルギーでできます。しかし、あとでやろうと思うと、常にやらねばならないことを頭の隅で覚えておかなければなりませんし、とてもエネルギーを消耗します。仕事は効率的にムダ・ムラ・ムリのないよう、即時処理しましょう。
(7)約束を守るクセ 人から信用や信頼を得るにはどんな小さな約束でも守ることに全力を注ぐ必要があります。信用と信頼は仕事をする上で非常に大切です。
(8)整理整頓・清掃グセ 仕事の効率が良い人と悪い人の差に、整理整頓ができているかどうかがあります。一日の仕事が終わった後は感謝の心で机のまわりを片付けし、一日が始まる朝は、今日も一日よろしく、という気持ちでデスクを拭くことから仕事を始めましょう。
(9)早寝早起きグセ 早起きができる人は朝から余裕をもった行動ができますが、ギリギリにくる人は昼過ぎまでボンヤリしている人が多いように思います。その遅れを残業で取り戻そうとするのですが、夜の疲れた頭で仕事をするよりも、朝のすっきりした空気の中で仕事をするほうが断然効率が良いと思います。
(10)締め切りを守るクセ 締め切りのことを嫌なものと捉える人がいるようですが、そういう人は、締め切りの偉大さを知りません。締め切りがあるからこそ、目標ができ、あらゆる優れた商品が効率よく生まれるのです。多少のムリなスケジュールでも自分が成長できるチャンスです。その際は、締め切りを守るために、品質を落とすことはせず、また品質を守るために、締め切りを延ばすこともしてはいけません。
(11)メモをとるクセ 絶対に覚えていると思ったことでも、次の日になったらさっぱり思い出せないという経験がだれにでもあると思います。メモをとることは、脳の整理をするのにとても役立ちます。時としてインスピレーションがひらめくことがあります。そのようなひらめきは、まるで神様からの贈り物のように大切なことが多いためすぐにメモをすることをお勧めします。
(12)手紙を書くクセ 仕事をする上で、優れた人脈が多いかどうかは、とても大切なことです。人脈をつくるには、相手に親身になってつきあうことです。その方法のひとつとして、1日20通の手紙を書くことをお勧めします。
(13)小事をおろそかにしないクセ 小事をおろそかにしたり、小事に気づかない人は大事をも成し遂げられません。目につくところは一生懸命やるのに、見えないところは手を抜いたり、そのままにしてしまう人は他人からの信頼を得ることはできません。小事に気づく人は、他人の本質を目立たない部分を見て判断するからです。
(14)非常時のクセづけ 「5分前の精神」非常時には1分1秒の遅れが命取りになることがあります。最低5分前には完全に準備しておきなさい、ということです。「出船の精神」が大切です。
(15)目的をもった計画的な行動グセ 計画的な人のほうが、無計画な人よりも、はるかに伸びるからです。その理由としては、計画には必ず目的を必要としますが、目的があると人はやる気が出るからです。
(16)苦情や苦言は喜んでしっかり聞くクセ 苦情や苦言を言われるのは、誰でも嫌なものですが、そこには自分の成長のヒントが詰まっています。苦情や苦言を言われたときに、もっとも悪い態度は、それをろくに聞こうとせず、なかったことと無視することです。言い訳をしたり、逃げたりしては、せっかく苦情を言ってくれた人に失礼ですし、自分のためになりません。一般に苦情を言ってくれる人というのは、あなたのことを思ってくれているからこそ苦情や苦言をいうのです。この人はもっと伸びるはずだと思うからなのです。
(17)仕事で縁があった人は大切にして信頼を築くクセ 成長している会社は、多くのまわりの人々や、取引先の協力のおかげでいまがある、ということを理解していて「縁」を特に大切にします。
(18)ツキを呼ぶクセ 仕事の上でも「ツキ」は非常に大切な要素です。ツキをつける方法はツイテいる人とつきあって、ツイテいる人の行動を真似ることです。
(19)恩義は忘れないクセ 恩は健全でよりよい人間関係を保ち、信頼を深めるために忘れてはならないことです。
(20)人の言動の動機を善意に汲み取るクセ 例えば、コピーが数ミリずれてしまったために、上司からやり直しを命じられたとします。上司はズレに気がつかないことにおこっており、一部に手を抜く人に良い仕事はできないよ、と気づかせたくてやり直しを命じたのです。善意にくみ取ることができる人は上司の気持ちを正しくくみとることができ、気持ちよく成長できます。
(21)長所を伸ばすクセ 短所や長所は自分の使命に早く気づくための道しるべのようなもの。例えば、頭を使うことが苦手で、運動神経が優れている人が学者になる使命をもって生まれてくることはないのです。なぜなら使命を発見するのに遠回りになってしまうからです。短所や長所は使命をまっとうするための計画の一部であり、長所はより伸ばすべきなのです。
(22)できる一歩からはじめるクセ 挑戦をしない限り失敗はしないものですが、失敗がないことを誇りに思わないでほしいのです。なぜなら、一番の失敗は何も挑戦しないことだからです。自分の「逃げ」や「恐れ」からくる迷いの場合は自分のできる一歩から進めれば良いのです。最初の一歩を踏み出してしまえば、あとは流れに乗ればいいのです。
(23)「ありがとう」を声に出してプラス発想するクセ プラス発想に切り替える方法には、なにかトラブルがあったときに声に出して「○○ありがとう」といってみることです。トラブルも自分の成長のために起こってくれたと考えられ、すぐに謙虚な気持ちで対処ができます。
(24)イメージ化グセ 人間の想像力は私達が考えているよりも、はるかに力のあるものだと思います。成功できるか否かも、イメージ化ができるかできないかによると言っても過言ではないと思います。
(25)勉強好きになるクセ 素直・勉強好き・プラス発想は成功の必須条件であり、このうち勉強好きであることは人間の特性を生かし、いつまでも柔軟な頭でいるために、ぜひともやっていただきたいのです。勉強すればするほど、謙虚になれ成長します。
(26)「びっくり現象」を集めるクセ びっくり現象を集めると、時流がわかります。これからの時代はどうなるのかを知ろうと思ったら、今起きているビックリ現象を集めてきて、それに共通するルールを見つければ良いのです。ビックリ情報が本物であるかを見る目を養う必要はありますが、科学や常識に関係なく、自分の目で実際に確かめたことは事実として受け入れる柔軟性を持ってほしいと思います。
(27)本物を知るクセ 本物しか通用しない時代になりました。本物を普段から活用することで、体は健康になり、どんな商品が地球や環境、自分の体に良いか、という感性が磨かれます。
(28)身の回りでおこることは「必要・必然・ベスト」と受け入れるクセ 自然はみごとにシステマティックに運営され、何ひとつムダがありません。同様に私たち人間社会に起こることも、すべて必要・必然・ベストなことだと考えられます。だから、自分の身の回りで起こることは、すべて受け入れるようにしましょう。人生で起こる不愉快なことやつまらないことは、自分に何かを気づかせるためにわざわざ起こるのです。なぜ起こったのか、ということを過去に問うのではなく、未来の自分にとって「なぜ」と問う姿勢が大切なのです。
(29)良いと思うことをやり、悪いと思うことをやめるクセ 「勇気」とは良いと思うことをやり、悪いと思うことをやめること。身近な例でいうと、タバコや飲酒もそのひとつです。タバコを吸うことは体に悪いとわかっており、まわりのタバコ嫌いな人に迷惑をかけると思いながらも、タバコをやめられない場合や、最近飲みすぎで体調が悪いのに、ついお酒を飲んでしまう、というような行動は「勇気がない」と言っていいでしょう。良心や自然の理に反したことをすると、一挙にツキはなくなります。
(30)すべての人やものを包み込むクセ 嫌いな上司・嫌いな部下・嫌いな取引先などと自分の中で好きや嫌いという判断で分析せずに、包み込んで理解しようと努力してみましょう。本来は、あの人のこの部分が嫌いだと思うことは、じつは自分の中の似たような部分を許せていない、ということからきています。そのため、他人に同じような部分を見ると腹が立つのです。
(31)正しい生き方をして人相を良くするクセ 人相とは、その人の状態をすべて表しているものだといえます。正しい生き方をし、人を好きになると人相は良くなりますので、ぜひ人相を良くしてほしいのです。
(32)共生クセ これからは人と人とが助け合う共生の時代です。共生の時代とは、節約し・融合し・公開し・共生し・自然に優しい時代です。
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