舩井流「経営」の法則

 舩井幸雄著「法則」(サンマーク出版)から経営について書かれている部分を抜粋して、以下に記します。

1、経営の基本

 (1)原理原則に則ること。

 (2)時流適応すること。

2、組織はトップ一人で99%決まる

(1)トップは支配者でなく、指導者たれ。

(2)組織の将来像を明確に描けていること。

(3)謙虚で勉強好きであること。

(4)明るく、周囲から好かれる人柄であること。

(5)自分の幸せや生活の安定よりも、周囲の人の幸福や将来を考えられる度量の大きさがあること。

(6)旺盛な事業欲を、従業員の幸せや社会貢献など利他(公欲)の方向にコントロールできること。

つまり、利己よりも利他を優先する精神、おのれを空しくして公に尽くす心構え、それがリーダーのうちにあるか否かが、組織の繁栄や会社の業績を大きく左右する根本的要因になります。

3、企業の業績を上げるには

①時流に乗る。 ②一番になる。(一番のものを持つ)

「今これが流行している」と多くの人が認めるものに飛びついても、それはもう「手遅れ」であることがほとんどです。多くの人がある流行を意識した時には、その流行はそのときが最盛期か、もうピークを過ぎているものです。したがって、時流に適応するためには、流行の背中を追うのではなく、流行の先取りをしなくてはなりません。

そのためにはマクロの目をもって、全体を俯瞰しながら時代の大きな流れやうねり、その動向を骨太に見極める必要があります。そうして時流を見極めれば、需要の多いもの、需要が増えつつあるものを、他人より早く見出すことが可能になります。ただし、やがてその需要もピークを迎えます。するとその後、需要が落ちて、今度は供給過剰になります。しかし、そうして時流不適応になったときでも、なおかつ生き残る力を持っているもの、それが「一番」のものなのです。

企業が恒常的に成長していくためには、常に時流に適応したものを探し、つくり続けること。それに加えて、時流不適応の状態を迎えたときにも生き残れるよう、それを「一番」に育て上げる努力をおこたらないことが大切です。

4、「包み込みの法則」と「局地における一番主義」

包み込み理論というのは、商圏内における一番店だけがとれる手法です。一番広い面積に、一番豊富な品揃えをすれば、それよりも力の劣る他店はその一番店にまるで囲い込まれるように無力化します。いいかえれば、包み込み理論は資本や規模に恵まれた、もっとも強いものが戦わずして勝つ「強者の理論」です。

この理論は弱者にも応用可能です。どんな小さなものでもいいから、何かひとつライバルを凌駕できるオンリーワンの商品を作り出し、その一番商品において他の追随を許さない絶対的な強さを持つ。そしてその部分、その一点で完全に相手のそれを包み込む(上回る)戦法をとればいいのです。「局地戦に勝利する」という「弱者の理論」をビジネスに応用した方法です。

5、圧縮付加法

経営の三資源である「人・物・金」は圧縮せず、まず「容れ物」だけを圧縮する。

小売店においては、この商品密度というものがきわめて大事で、それが高まることで、商品や店舗に質量ともに豊富な感じやぜいたく感が演出できる。それがお客様を引き付ける吸引力や集客の源泉となります。この圧縮だけで売り上げが3割くらい伸びる。圧縮したことで生じた「余った場所」を有効に活用する。例えば新しい商品を仕入れたり、売れ筋の品目数を増やしたりして、空いたスペースに付加していく。

この圧縮付加法は長所伸展法と組み合わせることで「人財づくり」に応用できる。1か月かかる仕事なら半月で、1日かかる仕事なら半日で、Ⅰ時間かかる仕事なら30分で、それぞれの仕事を「圧縮」してこなすようにさせるのです。圧縮して取り組んだ分だけ、早く目的を達成することができます。それが失っていた自信の回復につながっていくのです。加えてこのように濃い密度で仕事に取り組んでいると、ふつうに仕事をこなすよりも短い時間で、自分の得意な事、好きな事、やりたいことが見えてくるものです。

本人に見えてきたら、長所伸展法によって自覚できた彼の長所についてあらためて自信を持たせ、その部分を重点的に伸ばしていくようにします。また、その長所をさらに早く伸ばしたいときには、再度圧縮して仕事に取り組むようにします。

6、経営も仕事も「万能化」させるほうが効率的

ひとりの人ができるだけ多様な仕事をしたほうが効果も成果も上がります。つまり、一本化するより「万能化」したほうが、仕事も経営も効率的なのです。

7、時代の変革期には「謙虚さ」が必要

現在、資本主義は大きな変革期を迎えています。私達の経済活動の根底をなす原理も、従来の競争を主体とした弱肉強食の原理から、共生を主軸とする共存共栄の原理へとゆるやかながら移行していくものと思われます。エゴ(我欲・競争・対立)からエバ(愛・調和・互恵)へ、つまり競争より共生、対立より調和、分割より融合、独占より共有、浪費より節約、破壊より蘇生。そんなふうにさまざまな価値観の変化が起きているのです。その新時代においては「謙虚さ」というのも、改めて注目すべきキーワードとして再評価されてくると思います。エバの時代には利益を追求する企業活動においても、「欲張らない」「いばらない」「おごらない」といった謙虚な姿勢が必要となってきます。

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